『MITSUBISHI Concept-X』は、『ランサーエボリューション』のスパルタンな走りのイメージを継承するエクステリア、ドライビングへの集中力を高める機能的かつハイクオリティなインテリアにより、機能に則った端正かつ精悍なデザインを目指しました。
メカニズムの面では、アルミブロックのMIVEC*2ターボエンジンや、高性能の6速自動マニュアルトランスミッションを搭載。また、ルーフ、ボンネットフードなどボディパネルの随所にアルミニウム材を積極的に採用。そして、4WDを核に究極の車両運動統合制御を実現する「S-AWC(Super
All Wheel Control)」など、三菱自動車の"走り"の技術の集大成として、"走る歓び"を具現化するコンセプトモデルです。
*2 MIVEC (Mitsubishi Innovative Valve
Timing Electronic Control)
三菱自動車の連続可変バルブタイミング機構の総称
デザイン
エクステリアは、"新しい三菱自動車デザイン"の象徴となる、端正かつ精悍なフォルムを実現。ジェット戦闘機をモチーフとした大きなグリルが印象的なフロントマスクは、大量のエアを導入するとともに、安定感をイメージしており、フード前端に象徴的に配置されたスリーダイヤとともに、新世代の"エボリューション" スタイルを提案します。
インテリアは、運転への集中力を高めたシンプルで機能的なレイアウトとしてデザインをまとめています。さらに、よりコンペティティブな空間を演出するためにカラーリングや照明にもこだわっています。内装色はブラックを基調にアルミの素材感を強く出したシルバーを組み合わせることで、よりダイナミックでスポーティな室内空間を作り出しています。
エンジン、トランスミッション
エンジンは、新開発2.0L 4気筒 DOHC MIVECエンジンにインタークーラーターボを装着。高回転域までのフラットなトルク特性を実現するなど全域高性能/高レスポンス化を目指しています。トランスミッションは、クラッチ操作が不要で、通常のマニュアルトランスミッション以上の俊敏な変速とトランスミッション効率を高める6速自動マニュアルトランスミッションに、誰もがスポーツドライビングを可能とする、ハンドル操作に集中できるパドルシフトを組み合わせました。
ボディ、シャシー
ボディは、骨格の環状構造などによる高剛性化を進める一方で、ボンネットフード、トランクリッド、フェンダー、ルーフ、前後のドアにアルミニウム素材を採用。特にルーフなど高い位置の軽量化は、重心高の低下に、ドア、ボンネットフード、トランクなど車体の周辺部材の軽量化は、ヨー、ロールの慣性モーメント低減に効果があり、車両の回頭性を高めます。軽量化、低重心化、そして慣性モーメントの低減は、動力性能とハンドリング性能の向上に貢献します。
サスペンションは、フロントにはマクファーソンストラット式、リヤにはマルチリンク式を採用。「ロールコントロールサスペンション」との組み合わせによって、ロードホールディング性と乗り心地を高い次元で両立させています。
オンボード・マルチメディアシステム
インストルメントパネル中央に高精細液晶モニターを配置。車両の現在の走行状況やS-AWC(Super All Wheel
Control)の作動状況をリアルタイムでモニタリングする他、カーナビゲーションシステム、DVDオーディオなどを表示し、クルマとのより深い対話を可能にします。さらに、後席用モニターもフロントシート背面に搭載。ドライビングに関する様々な情報をドライバーと共有することで、運転の楽しさをすべての乗員で分かち合うことができます。
「S-AWC(Super All Wheel Control)」
『ランサーエボリューション』シリーズなどに搭載されている、トラクション性能とハンドリング性能を高次元で両立させた世界トップレベルの4WD制御技術をさらに発展させ、究極の車両運動統合制御を実現した「S-AWC(Super
All Wheel Control)」を搭載。最先端かつ究極の走りを目指し、『ランサーエボリューション』で採用しているフルタイム4WDベースの駆動力制御システムである「ACD*3(Active
Center Differential)」「スーパーAYC*4(Super Active Yaw Control)」を核に、さらにブレーキ制御(アクティブブレーキコントロール)、ステアリング制御(アクティブステアリングシステム)、サスペンション制御(ロールコントロールサスペンション)など最新の制御システムを組み合わせて、その全てを統合制御します。
『MITSUBISHI Concept-X』 主要諸元
全長 |
4,530[mm] |
全幅 |
1,830[mm] |
全高 |
1,470[mm] |
ホイールベース |
2,650[mm] |
トレッド(F/R) |
1,565/1,565[mm] |
乗車定員 |
4名 |
タイヤサイズ |
255/35R20 |
ホイールサイズ |
20x9J |
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*3 ACD(Active Center Differential)
センターデフの差動制限装置に電子制御の油圧多板クラッチを採用して、ECUにより走行状況に応じて前後輪の差動制限力をフリー状態から直結状態までコントロール。操舵応答性とトラクション性能を高次元で両立させるシステム。制御は、乾いた舗装路を想定したTARMAC、濡れた路面や未舗装路を想定したGRAVEL、雪道を想定したSNOWの3モードの設定。スーパーAYCとは、一つのECUで統合制御。
*4 スーパーAYC(Super Active Yaw Control)
AYCは、リヤデフ内に設けたトルク移動機構により、ECUで走行状況に応じて左右後輪の駆動力差をコントロール。車体に働くヨーモーメント(旋回力)を制御し、旋回性能を向上させるシステム。これを進化させたスーパーAYCは、デフ機構をベベルギヤ式から遊星ギヤ式に変更して、最大トルク移動量をAYCの約2倍に増大、アンダーステアの軽減はもとより、限界旋回を向上させてLSDのようなトラクション性能も発揮。ACDとは一つのECUで統合制御することで、単独制御以上の効果を得ている。 |