乗用車の完成車輸入が自由化された直後のショーとあってか、派手さを競うムードが後退し、販売拡張への足がかりとしてのショーへの努力が払われていた。
各社ニューモデルも日本初のV6・3000cc、V8・4000ccエンジンを積んだ大型高級車プレジデント、ニューセドリック、6気筒エンジンのクラウンなど自由化対抗車種が多かった。またスピード記録に挑戦するプリンスR380、ホンダF-1レーサーなども参考出品され、若いファンを集めていた。技術は小エンジンで高回転・高出力の傾向を強め、普通のセダン型にも前輪にディスクブレーキを採用するものが増えた。さらに国産車初のパワーステアリングも見られ、スバル1000には新冷却方式が採用されるなどの新技術が多く見られた。
一方自工振は東京モーターショーに対する海外の認識を高めるため、多数の外国人客を招待。来場者数は60カ国2万人と、わが国の自動車工業の発展に対する海外からの関心の高さに改めて驚いたほどである。出品車総数は642台、来場者は146万4,000人だった。
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