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この年はわが国初の外車ショーが開かれたり、貿易・為替の自由化など、日本の自動車産業を取り巻く環境が大きく変わろうとしていた。その気負いもあったのか、国産車人気を煽るかのように各社ブースにモデル嬢まで登場させ、華やかさで勝負といったムードでいっぱいだった。来場者も前回より約16万人増え、81万2,400人だった。
出展車も自由化ムードを意識してか、前回を大きく上回って358台。注目を浴びたのはトヨタが参考出品した大衆車「パブリカ」。700cc・空冷2気筒エンジンを積んだ4人乗りで、値段は38万9,000円。コロナの二代目「PT20型」も登場させた。日産からは4灯式のセドリック。富士精密が4灯式ヘッドライトの「グロリア」。東洋工業は全輪独立懸架を備えた軽乗用車「マツダクーペ」を31万円という低価格でデビューさせ、スバルは450型を開発。各社とも大衆車への並々ならぬ意欲をみせていた。また、自由化を意識した各社の値下げ競争も激しく、小型乗用車で50万円台の車種が増えたのも特色としてあげられる。
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