創立70周年を迎える日産は、日本の伝統「和」をキーワードにこれまで培ってきた「日産DNA」を世界に向けて発信。22日のプレスブリーフィングの場で初公開した華麗なデザインの「JIKOO」(時空/ジクウ)をはじめ、先端技術と伝統工芸の技を融合させたコンセプトカーなどを披露していました。
中央ホールにある日産ブース。正面ステージの2つの大型スクリーンとブースを囲むダイナミックな円形シアターに桜吹雪が華麗に舞う。大輪の花火も鮮やかに夜空に打ち上がる。中央ステージの「フェアレディZロードスター」から順にスポットが当たり、その上でオシャレなカップルがダンスのパフォーマンス。この瞬間、江戸の古都と今の大都会を行き来するような不思議な仮想空間に吸い込まれていく。
今回のショーでは参考出品車8台、市販乗用車10台の計18台を展示していましたが、なかでも「和」のイメージを盛り込んだ新しいデザインの方向性を提案するコンセプトカーに熱い視線が注がれていました。
「モダンな和」をテーマにデザイン
正面ステージ左側の「FUGA」(風雅/フウガ)は、「モダンな和」をテーマにデザインしたインテリアを持つコンセプトカー。全長4930mm、全幅1850mm、ホイールベース2950mmの大型サイズで、身長180cmの人が前後に座った場合でも、後席で足を伸ばせるほどのゆったりとした室内空間でした。プラットフォームは「スカイライン」や「フェアレディZ」に使用しているFMパッケージを採用し、世界トップクラスの動力性能と操縦安定性を追求していました。
「FUGA」の隣に展示している「SERENITY」(セレニティ)はスポーツセダンとミニバンの融合を提案。6人乗りの多目的サルーンで走り、高級感、豊かな居住感を高次元で実現させたという。デザインのテーマは“ジャパニーズ・DNA”、凛とした和の静けさを持つ日本独特の感覚をインテリアなどに表現していました。
先端技術と伝統工芸を融合
初公開の「JIKOO」は2シーターの小さなプレステージオープンカー。日産創立70周年にあたり、江戸開府400年事業に参加する目的で製作されたもの。時空を超えることをコンセプトとし、初代ダットサン「ロードスター」を原型としてコンパクトにまとめ、随所に江戸の伝統工芸職人による匠の技をちりばめた。また、江戸の街を“ドライビング”できるよう、江戸時代の地図や街の風景を表示する「江戸ナビ」を装備し、運転席には現代の地図、助手席のモニターには過去を表示する仮想タイムトラベルを実現している。
このほか、丁寧な作り込みのインテリアを持つ“小さいプレミアム”を提案した「C-NOTE」(シーノート)や、新感覚のオープンルーフカーの「REDIGO」(レディゴ)、コンパクトで新発想の燃料電池車「EFFIS」(エフィス)などのコンセプトカーにも新たな“意気込み”が感じられる。カルロス・ゴーン社長が取り組んでいる経営計画「日産180」の公約である「持続的な利益ある成長」を、日産ブースでは積極的にアピールしている。 |
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新しい高級車の方向性を提案する「FUGA」 |
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「SERENITY」のデザインテーマは“ジャパニーズ・DNA” |
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江戸時代の熟練工の技をちりばめたデザインの「JIKOO」 |
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左右のガラスルーフが電動で格納できる「REDIGO」 |
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クルマの新たな可能性を追求した「C-NOTE」 |
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2つの出力軸を取り出せる新開発の「スーパーモーター」搭載の「EFFIS」 |
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