20回目を迎え、自工振は自動車の発展過程をわかりやすくディスプレイした「くるまの歩み」展や、社会的に自動車のあり方が見直されつつある現実から“人間と自動車”の問題を考えるなどの記念行事を計画し、ショーを盛り上げた。
この年の春、ESVの国際会議でわが国の安全車が各国の技術陣から強い関心を得た。その車が今回のショーに出展され、多くの外人客の注目を集めていた。しかしニューモデルはトヨタの1200cc大衆車スターレットをはじめごくわずか。あとは見慣れたモデルが化粧を凝らして展示されている程度だった。
これはここ数年の傾向で、各社のシェア争いから他社より早くニューモデルを発表しようとする姿勢が反映され、安全・公害対策上、モデルチェンジをショーに関係なく実施するようになったためとみられている。反面外車は勢いづき、外車展示場には多くの見物者が訪れていた。またこの年、石油ショックが自動車業界を直撃。その余波からモーターショーのあり方まで問われ、翌年のショー開催中止が決定された。
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