今回のショーでは、ドリーム・カーとコミュータに対するメーカーの積極的な姿勢と、アポロ11号月面着陸を反映して宇宙的デザインのディスプレイが色を添え、70年代に向かう日本の自動車業界のパワーが感じられた。来場者も152万3,500人と最高を記録した。
トヨタは高速化と安全性を極限まで追求したという流麗なフォルムのEX-IIIなどアドバンス・モデルを公開。日産も1/2モデルで空力学的な探求を主体にしたアイデア・カーを、三菱もコミュータ・カーを参考出品するなど未来車の競演が見られた。
もう一つの特色は、モータースポーツと高速道路に強い刺激を受け急速に性能が向上、その集大成ともいうべきスポーツ車が多かったことだろう。いすゞがミッドシップ・タイプのベレットMX1600、鈴木自のミニ・レーシング・マシンなど、モータースポーツへの幅広い研究姿勢が見られ、先行する欧米車との差も一気に縮まった。出展車の大半は高速時代にふさわしくエンジンのパワーアップ車、安全整備によるマイナーチェンジ車が中心だった。
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