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第3回全日本自動車ショウポスター |
第3回になると俄然、特筆すべき飛躍がみられるようになった。まず展示が車種別となり、人気の中心が乗用車に移り、ようやく本格ショーへの形をなしてきたからである。
この背景となったのは前年5月、通産省が発表した国民車構想の影響であった。むろん、最高速度100キロ、4人乗りで工場原価15万円、販売価格25万円という要綱案はそれ自体、当時の国民所得7万5,960円といい、乗用車価格がダットサン・セダン75万円、ルノー74万円、クラウン95万円と対比して、あまりにも現実離れした構想だった。しかし、自動車メーカーはコレに刺激され値下げを断行、大衆もユメの乗用車が身近なものに感じ始めたのか、ショーでの乗用車人気は大いに盛り上がりをみせたのである。
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