日本の自動車技術の足跡をたどる企画展 ― テーマ館で開催
近未来を描いたコンセプトカーなどを見物するのもモーターショーの楽しみだが、会場では自動車の歴史を知ることができるモーターファン必見の展示コーナーがある。主催者の自動車工業振興会が特別企画として開設しているテーマ館で、今回は「その時―日本の技術が時代のトビラを開いた〜みえない名車を見る〜」というタイトルの企画展。日本の優れた創意工夫と先人達の熱意、努力によって築かれた20世紀の自動車に関する技術革新の足跡を展示パネルやパソコンによるクイズコーナーなどを設けてわかりやすく解説してくれる。
展示の目玉は「ここから始まった日本の自動車製作」コーナーのセンターゾーンに輝く「オートモ号」。大正末期から昭和初期にかけて若きエンジニアによって製造された純国産の量産車第1号だ。当時の開発者の意気込みが伝わってくると共に、世界に誇る日本の自動車技術の原点ともいえる名車だけに興味深い。
また実車展示コーナーでは、トヨタ2000GT(1967年式)や日産スカイラインGT-R(1973年式)をはじめ、それぞれの時代を飾った国産乗用車22台、二輪車12台を、「動力系」「伝達系」「制御系」「外装系」に分類して展示しており、往年のカーマニアから若者まで楽しめるように工夫を凝らしている。
このほか「意外に知られていない技術コーナー」では、ステージ映像の中に登場する久留間(クルマ)先生が、自動車のメカニズムや技術が不得手という方にも日常のカーライフで感じる疑問などに答えて、やさしく解説してくれる。さらに、今回テーマ館では初めての試みとしてショーステージを設けており、ゲーム感覚で自動車の歴史を垣間見ることができるので、親子で楽しめるコーナーとなった。 |