■展示車の見どころ
○ザフィーラ
ユニークな「フレックス7」システムを採用したオペルの新しいコンパクト・ミニバンです。フレックス7とは、キャビンが7人乗りで、しかも多彩なシートアレンジが可能という意味です。実際3列シートを備えたザフィーラは、シートをいちいち取り外したりしなくてもそのときの状況に応じて様々な空間アレンジが可能であり、手頃なボディサイズとあわせてスペースに対する要求が厳しい日本のユーザーにも高く評価されるのではないかと期待されています。ヨーロッパでは、今年の4月から販売が始まっていますが、これまでにすでに12万台のオーダーを受けたヒット作となっています。エンジンは、アストラなどでお馴染みの1.6/1.8Lエコテック直4ユニットが主力であり、日本向けには1.8L右ハンドルの4段AT仕様が用意される予定です。
○オメガ
オペルのフラッグシップカーであるオメガには、今回デザイン、機能ともに大幅なテコ入れが行われました。総部品点数の3分の1以上の3000点もの部品が再設計もしくは改良されたニューオメガは、先のフランクフルト・モーターショーで初公開されたばかりであり、日本ではもちろん、今回が初お披露目となります。ボディタイプは従来どおり4ドア・セダンとワゴンです。エンジンは2.5Lもしくは3.0LのV6 エコテック DOHC 24バルブ・ユニットが搭載され、日本向けは全車4段AT/右ハンドル仕様および左ハンドル仕様(CDグレードのみ)となります。また今回から追突時のむち打ち症被害を最小にくいとめるアクティブ・ヘッドレストが全車に標準装備されるようになりました。
○ベクトラ
オメガ同様、オペルのミッドレンジのベクトラも、今回かなり大規模な改良を受けました。このニューベクトラも、日本では今回が初公開となります。ボディタイプは4ドア・セダンとワゴン。エンジンは1.8Lと2.0Lのエコテック直4 DOHC 16バルブのほか、2.5L V6 エコテックDOHC 24バルブ・エンジンが用意されます。近々発売予定の日本向けは全車4段AT/右ハンドルとなる見込みです。
○アストラ
前回の東京モーターショーで初お披露目され、昨年7月に正式に日本で発売となった新世代のコンパクト・オペル。先進的でダイナミックなスタイリングと広い室内、さらに12年の錆保証に代表される高い品質により、ヨーロッパでは昨年の発売以来大変な人気を呼び、ザフィーラともどもオペル躍進の最大の原動力となっています。日本向けのボディタイプは5ドア・ハッチバックとワゴン及び4ドア・セダンの3タイプ。エンジンは1.6L、1.8L、2.0Lの3タイプの直4 DOHC 16バルブで、いずれも4段ATとの組み合わせです。今回参考出品された「クーペ」は、ヨーロッパで来年春から発売される予定の追加モデルで、ほかのボディには設定されていない2.2L直4や2.0Lターボを搭載して、通常のアストラよりひとクラス上のステイタスと性能を誇ります。またこのアストラ・クーペは、以前からオペルと関係の深いイタリアの有名カロッツェリア、ベルトーネが生産を担当します。
○ヴィータ
ヨーロッパでも日本でもロングセラーとなっているオペルが生んだスモールカーの国際的スタンダード。3.8m弱の小さなボディに身長180cm級の乗員が4人完全におさまる居住性のよさがなにより自慢です。昨年始めに日本仕様のエンジンは、新世代の1.2L、1.4L及び1.6Lになりました。ボディタイプは3ドアと5ドアのハッチバック。なお、今回の東京モーターショーには「イエロースペシャル」と呼ばれる特別仕様が出品されています。
○G90(参考出品車)
アストラ・クラスのボディ寸法を備えたオペルの新しいコンセプトカーG90は、Cd値がわずか0.22という優れた空力特性と総重量750kgという徹底した軽量化により、ヨーロッパの公式テストモードで25.8km/Lという、驚異の低燃費を実現しています。これはCO2の排出量に換算すると90g/kmということになり、そこからG90の名前もつけられました。G90の0.22という驚くべきCd値は、オペルのデザイナーが開発した水滴型のユニークなボディシェイプから生み出されました。リアに向かってスロープしたルーフ、やはりリアにいくほどすぼまったボディ全幅、そしてスパッと鋭くカットされたリアエンドなどにより、走行中のクルマのまわりの空気の流れを速め、効果的に空気抵抗を低減しています。G90の室内は、基本的に4人乗りですが、これはリアのトレッドをフロント側より狭めた結果、後席がセパレートタイプの2座となっているからです。それでもG90は、4人乗りのクルマとして十分な室内居住性を備えており、また荷室容量も350〜980Lとコンパクト・クラスのハッチバック車として、競争力のあるレベルが確保されています。