1997年11月4日発行 

Exhibitors -国内2輪1-


 平日にもかかわらず、4日は会期末ということもあって朝から順調な出足。この日はバスを連らねた団体客、外国人の来場者が目立った。プレスデーを含めて15日間に及ぶ第32回東京モーターショーはいよいよ明日、 フィナーレを迎える。



KAWASAKI booth photo
YAMAHA booth photo
ビッグバイクに人気の
カワサキ(上)とヤマハのブース
人気の大型車を起爆剤に
市場回復にかける二輪ブース
国内二輪

 今年春から大型二輪免許が教習所で取れるようになり、各メーカーは需要拡大に大きな期待を寄せる一方で「便利な乗り物」としてのバイク(いわゆる原付)の需要喚起も大きなテーマとなっていた。

 二輪ブースは、若者を中心として連日大混雑しており、特に大型車が人気の的である。

 カワサキは、「一家に一台の便利な二輪車」として、250ccクラスにも力を入れる一方で、大型車はロングセラーのNinjaやZRXシリーズを強化している。

 ヤマハはレトロ的なバイクシリーズが目立つが、最軽量1000ccモデルのYZF-R1が注目株。かつての400cc並みの軽量大型車に人気が集まっていた。



Exhibitors -国内2輪2-


SUZUKI booth photo
スズキの「ストリートマジック」
 スズキは、多様化する顧客のニーズに可能な限りの多様なバリエーションで応える方針で、個性的な二輪が揃っている。「ジュベル」というナビゲーション搭載車も注目されていた。

HONDA booth photo
ホンダの「ドリームキッズ」
 ホンダは、 若いときから二輪車に接することで親近感を高めようという戦略を取る。 折りたたんで車に積むことのできるコンポ方式をさらに徹底した「ドリームキッズ」シリーズはその典型である。 さらに二輪車本体だけでなく、 ウェアやヘルメットなど関連製品までを総合的に展示している点もホンダの特徴だ。



Exhibitors -海外2輪-


 BMW K1200RSは、280kg以上の重量級ながら、シート、ハンドル、ステップなどの調節機能を備える。二輪は2人乗車が基本だと考えるBMWにとっては、重量よりもバランスやフィットネスが重要だと主張する。実際にまたがってみると、低重心のせいもあるのか、確かにまったく重量を感じさせなかった。

HARLEY-DAVIDSON booth photo
ハーレーの95周年記念モデル
 創立95周年を迎えたハーレーダビッドソンは、13台のアメリカンバイクをずらりとならべて壮観だ。

 ドゥカティブースは、モンスターとスーパースポーツなど4つにカテゴライズされている。いかにも速そうな美しいスタイルの新型SS900が印象的だ。その他スクーターのピアジオや、まんまレーサーのビモータなど、マニア憧れの名車も展示されていた。




Exhibitors - 海外部品-


USA booth photo

自動車産業の現在と未来に
具体的アプローチを提示
海外部品

 自動車部品のモジュール化の波を受けて、すみわけが明確になりつつある海外部品は、軽量化、低コスト化、低燃費化、省エネルギー化などがテーマである。

DELPHI booth photo

 目立つのは、デルファイ(写真)、TRW、ヴィステオンなどの米国最大手部品メーカーである。各国政府による展示も盛んで、アメリカ、オーストリア、カナダ、フランスなどが軒をならべている。ドイツ政府のブースは、自動車の各部品をかたどったレイアウト内にその部品の関連企業の展示があるという造形が面白い。

 注意深く見ていくと興味深い新技術にも出会える。ベルギーのIEE社のPPD (Passenger Pres-ence Detection)は、人の着座の有無やその人がどの程度の体重であるかを判断して、エアバッグの作動を制御する画期的な技術だ。またフランスのエヴァン社による「ディウィ」は、トランクルームに設置したペットボトルから水をくみ上げ、65度に加熱して制御ボックス(蛇口)からお湯を出すという便利グッズ。



トゥディ11/4


食事も忘れるほどの忙しさ
マルチメディア体験コーナー

 モーターショー会場では5カ所(日本テレコム、NEC、東芝、Jストリーム、日立ソフト、IBM、ソニー・コンピュータエンタテインメント、富士写真フィルム他協賛)にマルチメディア体験コーナーが設置されている。この5カ所の総利用者数が3日現在で11万人を超えた。

 このうち中央ホールと西ホールの間のやすらぎのモールにあるNECのマルチメディア体験コーナー。ここにはモーターショーのオフィシャルサイトにアクセスできるパソコン4台と「motor searcher '98」自動車ガイドブックCD-ROM用パソコン4台が置かれているが、1日平均1500人近い利用者がある。休日は利用者だけで2000人を超え、周りを取り囲む人を含めると3000人近くに達するという人気ぶり。インストラクターは食事も忘れて?対応に大わらわ。

 北ホール2階の富士写真フィルムの「おもしろ写真工房」も人気。各社のコンセプトカーを写し込んだフレームに、その場で撮影した顔写真をプリントしてくれる(無料)。すでに4000人以上が利用。

 国際展示場2階中央エントランスホールにはソニー・コンピュータエンタテインメントがNews Studioを開設、濱田裕子さん、松本圭未さんの2人の美人女性アナが30分交代で連日放送を続けている。夕刻にはVICSの交通情報も流す。また近くに設置された40台のプレイステーション体験コーナーも連日若い人でいっぱい。

 なお日本では12月1日開局予定の衛星デジタル放送、ディレクTVが開局キャンペーンをやすらぎのモールで展開。平日で1000人、休日で2000人の来場者が、アンケートに答えてくれるという。



Welcome To Tokyo Motor Show

駐日スペイン大使
サンティアゴ・サラス閣下

Visitors
入場者数 111,500人


(社)自動車工業振興会