パリモーターショーは1998年に100周年を迎えている世界最古参級のモーターショーです。今回は様々な面で革新を行っていました。展示レイアウトの変更、開催時間の変更、新規イベントなどです。ショー・テーマは「お客様のご来場をより快適にし、これまで以上にリッチなショーをお届けする“make the visit more comfortable and offer an even richer show”」というもの。
会場は従来同様パリ市の中心部に近く至便なパリエクスポで、地下鉄、トラム(路面電車)、バス、タクシー、乗用車のいずれも短時間でアクセス可能です。会場内は広いのですが独立展示ホールが複数あるため、各ホール間や坂道には動く歩道を完備しています。乗用車メーカーの展示面積はこれまでの55,000m²から63,000m²に拡大したとの事。これは2004年にホール5を建て替えし、更に多くのメーカーの展示が可能になった事によります。今回はルーマニア、中国からの新規参加の他、クライスラーのダッジブランドが新たに加わっていました。
パリモーターショーは世界主要ショーの中で世界一の来場者数獲得を目標に掲げており、2年前は146万人を超えましたが、今回は入場料値上げ(10ユーロから12ユーロへ)の影響か143万人強に留まりました。とは言え世界トップクラスであることは間違いなく、会期の最終土曜日に視察した際は非常に混み合っており、人気展示車両の写真を撮ることが大変難しい状況でした。
開催時間は土・日・月曜日が2時間短縮され夜8時までとなりました。
特別企画はフランス国内のミュージアムや個人収集家による名車のコレクション展示、電動カートを使って屋内で行われる試乗会、本格的ラリーカーを使っての試乗会、レーシングゲームのドライバー選手権などがあり来場者を楽しませていました。
展示会場は面積に余裕があるため大手メーカーは思い切ったブースレイアウトを展開し、特に地元フランスメーカーは装飾も大変凝ったものでした。
一方、日本メーカーも、トヨタ、レクサス、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スバル、ダイハツ、スズキと全乗用車メーカーが参加し、ワールドプレミア(世界初発表)車を発表するなど力を入れていました。
ショー全体ではワールドプレミア車は70台を数え、特にコンセプトカーはショーの華であった。日本メーカーのワールドプレミア車としてはホンダCR-VやマツダCX-7、日産キャシュカイ、レクサスLS、トヨタハイラックス、スズキスプラッシュ、ダイハツDコンセプトなどが注目を集めていました。
ベストシーズンに開催される華やかなパリモーターショーは、家族連れから若者、高齢者まで幅広い来場者層を持ち、来場者の車に関する興味の中にもヨーロッパの歴史と伝統を感じる事のできる素晴らしいショーでした。 |