アメリカのニューヨークにおいて平成18年4月14日(金)〜23日(日)までの10日間、ニューヨークオートショー(New York International Automobile Show)が開催されました。会場であるジェイコブジャビッツコンベンションセンターはガラス張りの印象的な建物でハドソン川沿いに位置しています。マンハッタンの中心から車で約10分、地下鉄の駅も歩いて数百メートルの所にあり、公共交通機関によるアクセスも便利です。
会場の外壁面やロビーには出品者およびスポンサーの巨大な広告看板(アドボード)が掲出されており、ショーの雰囲気を盛り上げていました。
一般公開日の開場時間は11時から22時30分(日曜は10時から19時)と夜遅くまで開場しており、ロケーションにも優れているため、仕事帰りに立ち寄る方も多いのではないでしょうか。
会場はLevel 1 からLevel4の4層構造になっており、メインフロアであるLevel3では乗用車中心、Level 1ではSUV、ピックアップトラックの展示が中心で各社分離展示をしていました。展示面積は73,000m²と東京モーターショーの会場である幕張メッセ(75,000m²)と大差ありませんが、コンパクトな印象を持ちました。
展示スペースに入ると、天井はそれほど高くありません。照明もごくシンプルなもので、自社独自の装飾をしているところはほとんど見受けられませんでした。ブースについても落ち着いた印象を持ちました。特にSUVやピックアップトラック中心の展示であるLevel1は、乗用車中心のメインフロアであるLevel3と比較するとかなりシンプルで、ただ並べただけのような印象です。会場はアメリカらしく全面的に禁煙で、灰皿や喫煙スペースは全く見当たりませんでした。
出品車両は43社から約1,000を数え、日本勢ではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スズキ、スバルやレクサス、サイオン、インフィニティ、アキュラが出品されていました。そのうちワールドプレミア(世界初披露)が28台、ノースアメリカプレミア(海外では既発表だが、北米では初披露)が18台あり、各社のNYショーに対する位置づけの高さがうかがえました。
今回の視察はプレスデーでしたので、プレスブリーフィングを見ることができました。レクサス、インフィニティ、アキュラのブリーフィングでは、いずれも溢れるほどのプレスが集まっており、日本メーカーの勢いを感じました。
全体的には派手なパフォーマンスや演出をするところはまれで、映像を多用しながらスマートにアピールしていましたが、そんな中クライスラーは派手な演出で楽しませてくれました。屋外で実施されたのですが、ジープを1台土の中に埋めておき、そこへ突然消防車が現れ放水し、土を吹き飛ばし、ニューモデルが姿を現す。それに続いてブリーフィングが実施されるという派手なものです。プレス席ではカメラマンがカッパを着て飛び散る泥に備えていました。
特別企画として、仮設館の中に8の字のオフロードコースを設置し、クライスラー・ジープの全モデルを対象にした同乗試乗会を実施していました。コースには「水溜り越え」「凸凹悪路越え」「傾斜路」「丸太越え」「急傾斜路越え」の5つのポイントがあります。ドライバーのテクニックで難なくクリアしていきますが、テーマパークのアトラクション並の大掛かりなもので大変面白い企画でした。
ニューヨークショーは派手な展示や演出が少ない落ち着いた雰囲気のショーですが、経済や娯楽等いろいろな面で世界の中心であるニューヨークで開催されるショーであり、またロケーションや4月という開催時期のよさを考えるとこれからも更に発展してゆくのではないでしょうか。
なお、現在北米で開催されるモーターショーではデトロイトショーが唯一のOICA(国際自動車工業連合会)認定ショーですが、本年よりデトロイトに加えL.Aショー、シカゴショー、NYショーが輪番でOICA認定ショーとなります(06年L.A、07年シカゴ、08年NY)。 |