「うちの部品がどのあたりに使われているか、ひと目でわかるものを作ってほしい」。突然、アイシン精機から相談を持ちかけられた試作板金メーカー、畔柳(くろやなぎ)工業の畔柳年言社長は驚いたという。取り扱い部品はざっと200点、しかもすべて公開していいものかどうかも難しい。これまでは特定のユーザーにしか開示しない戦略部品も多かったからだ。
イベントホールに面した入口から北ホールに入ると、中央通路右側にミニバン型の“スケルトンモデル”を見ることができる。小さな展示品が多い部品コーナーではかなり目立つ存在だ。実はこのモデル、アイシングループが、畔柳工業と共同で製作したものだ。「これを見れば、うちの商品の多様性を理解していただけると思う。系列メーカー以外にも拡販するのが課題と考えている」と同社の和田明広会長は語る。
デンソーも最新のITS関連機器、ハイブリッド車用コンポーネントなどを披露。シートメーカーのアラコなども最先端技術の戦略部品をこのショーでいち早くオープンにして、積極的にアピールしていたのが印象的である。
一方、カルソニックカンセイの大野陽男会長は「モジュール(複合部品)化は、部品メーカーが生き残る絶好のチャンス」と捉え、「次世代コックピットモジュール」などの新技術を中心に展示した。
ブリヂストンも、曙ブレーキ工業、カヤバ工業と共同開発した「サスペンションモジュール」を初めて公開している。原価コスト低減の有効な手段となるだけに、モジュール化の流れは会場でも急加速している。
このほか部品のブースでは、光洋精工がスクリーン映像による「バーチャルツアー」を実施。カーオーディオやカーナビなどの音響・情報関連メーカーが、ビンゴゲームなど来場者参加型のショータイム形式で新商品を紹介するコーナーも多くみられた。部品のブースは活気に溢れていた。 |