一般の方 > プレイバック2001 > 部品メーカー
国内部品 - 「元気な部品」流れは戦略商品のオープン化、モジュール化

「うちの部品がどのあたりに使われているか、ひと目でわかるものを作ってほしい」。突然、アイシン精機から相談を持ちかけられた試作板金メーカー、畔柳(くろやなぎ)工業の畔柳年言社長は驚いたという。取り扱い部品はざっと200点、しかもすべて公開していいものかどうかも難しい。これまでは特定のユーザーにしか開示しない戦略部品も多かったからだ。

イベントホールに面した入口から北ホールに入ると、中央通路右側にミニバン型の“スケルトンモデル”を見ることができる。小さな展示品が多い部品コーナーではかなり目立つ存在だ。実はこのモデル、アイシングループが、畔柳工業と共同で製作したものだ。「これを見れば、うちの商品の多様性を理解していただけると思う。系列メーカー以外にも拡販するのが課題と考えている」と同社の和田明広会長は語る。

デンソーも最新のITS関連機器、ハイブリッド車用コンポーネントなどを披露。シートメーカーのアラコなども最先端技術の戦略部品をこのショーでいち早くオープンにして、積極的にアピールしていたのが印象的である。

一方、カルソニックカンセイの大野陽男会長は「モジュール(複合部品)化は、部品メーカーが生き残る絶好のチャンス」と捉え、「次世代コックピットモジュール」などの新技術を中心に展示した。

ブリヂストンも、曙ブレーキ工業、カヤバ工業と共同開発した「サスペンションモジュール」を初めて公開している。原価コスト低減の有効な手段となるだけに、モジュール化の流れは会場でも急加速している。

このほか部品のブースでは、光洋精工がスクリーン映像による「バーチャルツアー」を実施。カーオーディオやカーナビなどの音響・情報関連メーカーが、ビンゴゲームなど来場者参加型のショータイム形式で新商品を紹介するコーナーも多くみられた。部品のブースは活気に溢れていた。

photo
ひと目でわかるアイシンのスケルトンモデル
photo
最新のITS関連機器などが並ぶデンソーブース
photo
 
部品のモジュール化も急加速(カルソニックカンセイ)
海外部品 - モーターショーは「格好のビジネスチャンス」

北ホールを中心に部品コーナーが設けられている。このうち政府関連は、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカの6ブース。「今回で4回目になるが、ブースのデザインは一度も変えていない。マンネリと思われるだろうが、そのほうが来場者にも覚えてもらえる」と、ドイツ政府関係者。連続11回目というカナダ政府も、日本からの進出企業を募る趣旨をブースの展示板に明記し、ハッピ姿で企業誘致に意欲を燃やす。フランス政府は「パートナーシップスピリット」を打ち出し、日本との交易強化を促す。

また、39社にのぼる海外部品メーカーのブースでは、例えば、デルファイ・オートモーティブ・システムズとボッシュが、ディーゼルエンジン関連部品で日本へのアプローチ合戦を展開。どちらも“第3世代ディーゼル”といわれるエンジン用部品の展示には力が入っている。とくに燃料噴射ポンプは両社とも最新モデルを公開。デルファイは、自動車の安全技術をPRするSUV車のカットモデルまで持ち込んだ。相次ぐ提携、再編などで、国内でも従来の自動車メーカーとの系列関係に縛られない傾向が一段と鮮明になってきた。この東京モーターショーが、格好のビジネスチャンスと受け止めた外国部品メーカーも多く、日本市場への攻勢を強めている。

photo
アメリカ政府コーナー
photo
ドイツ政府コーナー
photo
モジュール部品、環境保全、IT関連などの
新技術も公開
ページの先頭へ
一般の方 > プレイバック2001 > 部品メーカー